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非配偶者間人工授精の現状に関する調査研究会(DI研究会)

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DI研究会の紹介

 厚生科学審議会生殖補助医療部会が非配偶者の精子・卵子・胚の提供を国内で認可し、子どもの出自を知る権利を認める方向性を出しました。そして、法整備への議論が始まっています。 ⇒日本の対応と課題

 非配偶者から精子・卵子・胚の提供は、提供を受けた女性、その配偶者、生まれた子ども、そして提供者に、さまざまな影響を与えることが予想されます。またこれらの認可は社会の生命観・生殖観にも大きな影響を与えると考えます。

 法整備へ向けた議論において、また認可後の当事者を支える体制を作るために、−本来で言えばそもそも認可の是非を考えるためにも−、まずは当事者の現状、意識が明らかにされなければいけないと思います。しかし、1949年以降50年以上の歴史があり、1万児が誕生しているといわれている非配偶者間人工授精(AID)ですら、当事者の現状、意識に関する調査はほとんど行われていません。 ⇒日本のAID事情

 その原因に、今まで法的な整備も行なわれず、産婦人科学会によるガイドラインも1997年まで作られないなど、いわば水面下で行なわれてきたといえることもあります。またプライバシーにかかわる事柄であることから、当事者が口を閉ざしてきたこともあるでしょう。そのため、子どもを得ようとするカップル、子どもを得たカップル、生まれてきた子どもなど当事者への精神的ケアや情報の提供もほとんどありませんでした。

 私たちはまず議論の基礎となるのは、当事者の現状や意識を明らかにすることだと考え、科学研究費の助成を受け、AIDに関わった当事者への聞き取り調査を行なうことにしました。

 この研究の結果は、個人のプライバシーに触れない範囲で、随時このホームページでご報告します。当事者の現状・意識を明らかにすることで、多くの方の議論に役立てていただくだけでなく、これが当事者のエンパワメント、自助グループの組織化の一助となればうれしいと思っています。

[AIDとDI、DCの違い]
日本では提供精子による人工授精をAIDと省略しますが、英語ではDIの方が一般的です。以前は英語でもAIDを使っていましたが、1980年代からHIVの感染によるAIDs(エイズ)という用語が一般に広まり、まぎらわしいためにDIと呼ばれることが多くなったようです。また、AIDの"A"は「人工」という意味なので「人工的に子どもをつくる」という印象を受けるためにAIDよりもDIという方が当事者に好まれるようです。さらに提供精子、卵子や胚による体外受精も増えてきたため、それらを含めてDC(提供をともなう妊娠)と呼ぶこともあります。
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メンバーと主な論文・研究など

 メンバーは医療人類学・リプロダクティブヘルス看護学・生命倫理学・精神保健看護学・科学社会学・女性学など専門領域はさまざまですが、いずれも生殖医療にこれまでも関心をもってきました。

●長沖暁子(慶應義塾大学) 【代表】
  • 「生殖補助医療の進歩−女性のからだへの自己決定権と生殖技術の発達」『産科と婦人科』Vol.69、No.6(2002)
  • 『女性の視点から見た先端生殖技術』(共著)東京女性財団(2001)
  • 「AID当事者の語りからみる配偶子・胚提供が性・生殖・家族観に及ぼす影響」日本学術振興会平成15年度科学研究費補助金(基盤研究B)研究代表者 長沖暁子
  • 『リプロダクティブ・ヘルスと環境−共に生きる世界へ』(共著)工作舎(1996)
●日下和代(東京医科歯科大学)
  • PTSDおよび解離性障害患者の精神病理と患者に関する関わり方,精神科看護Vol.29、No.6(2002)
  • 精神障害者の早期退院を目指した治療・看護の標準化に関する研究,平成13年度セイルカ・ライフサイエンス研究所「臨床疫学研究などに関する研究助成」研究報告書,Vol.5(2002)
●清水きよみ(東京医科歯科大学)
  • 『妊娠に関わる健康問題とケア』武谷雄二,前原澄子編,助産学講座5,助産診断・技術学1.医学書院(分担執筆)(2002)
  • 「非配偶者間人工授精を選択するカップルへの支援〜インタビュー調査に基づいたパンフレット作成とサポートシステムへの一考察」トヨタ財団研究助成(2002)*今年度報告提出
●仙波由加里(早稲田大学)
  • 「オーストラリアにおける非配偶者間人工授精をめぐる法と制度」、『ヒューマンサイエンス』15巻No.3(2003)
  • 「不妊と生殖補助技術の現状と課題」、『人口学研究』31号(2002)
●柘植あづみ(明治学院大学)
  • 「『生殖補助医療』に関する議論から見る『日本』」,『新生殖技術に関する社会・文化的対応の国際比較』,平成12年度〜14年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(1))研究成果報告書,研究代表者上杉富之(2003)
  • 「精子・卵子・胚提供による生殖補助技術と家族」 『家族社会学研究』 Vol.15, No.1(2003)
  • 『文化としての生殖技術−不妊治療に携わる医師の語り』松籟社(1999)

(以上5名)

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